生徒さんが使っているテキストの中にPicture Dictionary(Word Book)という本がありますね。覚えるべき単語の絵が描いてあって、それに沿って毎回単語の練習をします。その後単元ごとに覚えた単語のテストをしています。私は以前から折に触れて、単語やフレーズを覚えるためにカタカナを使うことをしないよう注意しています。カタカナ禁止ですね。みんなさん良く理解してくださって、覚えるときはCDを使って耳で覚えたり、Phonicsを使って読むようにしているせいか、多くの皆さんが正しい発音で発話出来るようになってきています。
このカタカナ表記について、ちょっと思うところがあって、過去のコラムを読み返してみました。
以前このブログでプリンはpuddingをカタカナで書いたものであるとお話しした事があります。英単語にカタカナでルビを振ってはいけない理由を、あるお子さんから質問されたので、その時の文章に一部加筆してこの場で再度ご説明したいと思います。もしお子さんに聞かれたら教えてあげてください。
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ー前段省略ー
プリンとは、英語のpuddingを聞いたまま発音し、それをカタカナでこれまたそのまま表記したものが、定着したパターンです。比較的英語の発音に近いといえます。でもこれは大変珍しい部類に入ります。カタカナ英語(外来語)は日本語の中で重要な位置を占め、日本語としてなくてはならないものになっていますが、英語学習においては非常に厄介な側面を持っています。
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ー前段省略ー
プリンとは、英語のpuddingを聞いたまま発音し、それをカタカナでこれまたそのまま表記したものが、定着したパターンです。比較的英語の発音に近いといえます。でもこれは大変珍しい部類に入ります。カタカナ英語(外来語)は日本語の中で重要な位置を占め、日本語としてなくてはならないものになっていますが、英語学習においては非常に厄介な側面を持っています。
英単語や英文を覚える時、「カタカナに直して覚えたい」「英単語の上にカタカナでルビをふりたい」と思われたことはありませんか。幼稚園児のクラスは別として、一年生になり、読み書きができるようになると、早い子はもう、この誘惑にかられ、「先生、カタカナでフリガナ書いていい?」と聞いてきます。勉強のできる、真面目なお子さんほど聞いてきます。その向学心には拍手をおくりますが、残念ながら答えは"NO"です。自分では聞いたままの音をカタカナに直して書いたつもりでも、今度はいざそれを読もうとした時、本来の英語の音とはかけ離れたものになってしまうことがほとんどだからです。
カタカナで書かれたものを読んでも、その単語の中の音の高低やイントネーションはわからないし、何よりも英語にはカタカナでは表せない音が山ほどあるからです。readもleadもカタカナでは「リード」となってしまいます。lake(湖)もrake(熊手)もカタカナではレイクないしレークと書くしかありません。でもこれらは実際には全く違う音で発音されています。同音異義語がたくさんある日本語は、文脈や前後の違いで意味の把握を行う必要があり、私たちは日々それを自然と行っています。が、英語はそうではない(同音異義語があまりない)ので発音を誤ると、全然通じなかったり、おかしな誤解を生んだりします。
英語を始めたばかりの幼い子供達は音の違いを聞き取ることができますが、年齢が上がるにつれ、LもRも、VもBも、FもHも、ThもZも違いがわからず同じ音に聞こえてしまうようです。これはrの音もlの音も日本語にはないためです。聞きなれない音は、発音するのが困難です。カタカナを使って覚えようとするとこの傾向は加速します。一見便利なカタカナのフリガナには英語学習を妨げる罠が潜んでいるんですね!
日本語は、世界で話されている言語の中でも音節が少なく、約100しかありません。これに対して英語はというと、約1000あるそうです。なんと日本語の10倍もあるのです。1000の音節を100のカタカナ(濁音等も含め)で表記することは土台無理なのです。まして、アクセントを置く場所によって意味が違ってくる英単語を、カタカナで正しくカバーすることはもはや不可能です。日本語には母音は5個しか在りませんが、英語には母音だけでも25個もあるのです!英語の母音をカタカナで書き分けることは絶対にできません。
英語を始めたばかりの幼い子供達は音の違いを聞き取ることができますが、年齢が上がるにつれ、LもRも、VもBも、FもHも、ThもZも違いがわからず同じ音に聞こえてしまうようです。これはrの音もlの音も日本語にはないためです。聞きなれない音は、発音するのが困難です。カタカナを使って覚えようとするとこの傾向は加速します。一見便利なカタカナのフリガナには英語学習を妨げる罠が潜んでいるんですね!
日本語は、世界で話されている言語の中でも音節が少なく、約100しかありません。これに対して英語はというと、約1000あるそうです。なんと日本語の10倍もあるのです。1000の音節を100のカタカナ(濁音等も含め)で表記することは土台無理なのです。まして、アクセントを置く場所によって意味が違ってくる英単語を、カタカナで正しくカバーすることはもはや不可能です。日本語には母音は5個しか在りませんが、英語には母音だけでも25個もあるのです!英語の母音をカタカナで書き分けることは絶対にできません。
英語は日本語に比べはるかに音の種類が豊富です。これを無理やりカタカナで書き、それを読んで音を再現しようとしても正しいものにはなりません。それを知らない子どもたちは、放っておくと、まだまだ自分にとって馴染み深いカタカナでフリガナをふって単語を覚えるようになり、すぐにカタカナに頼るようになります。そのようにして日本語式発音で覚えたカタカナ英語を後から矯正するのは至難の技です。場合によっては治せなくなることもあります。何より残念なのは、正しい発音を身につけないとリスニングがとても不得意になってしまうという事実です。日本語の何倍もの音節を使って話される英語を正確に聞き取るには、幼いうちに日本語に無い音を発音する練習が不可欠です。カタカナ英語を覚えることで満足してしまい、発音しづらい音に挑戦することをやめてしまうと、リスニング力はつきません。“play”と“pray”は発音も意味も全く違います。両方とも「プレー」と書く方式で覚えていたら、その違いを聞き取れるようにはならないのです。
私の生徒さん達の多くは、訓練によって、日本語には存在しない音を聞き分けたり、発音することができる、幼児・学童期の真っ只中にいます。カタカナに頼る学習をさせてしまって、この短くも大切な時期を逸してしまわないよう、今後もカタカナ禁止にはこだわっていくつもりです。
日本人には日本人特有の英語つまづきポイントがありますよね。私も日本人なのでよくわかります。これはネイティブの先生には理解できないところなのだそうです。ネイティブにはカタカナの便利さもわかりませんしね。
日本人には日本人特有の英語つまづきポイントがありますよね。私も日本人なのでよくわかります。これはネイティブの先生には理解できないところなのだそうです。ネイティブにはカタカナの便利さもわかりませんしね。